1. ホーム
  2. NEWS
  3. 農業をめぐる「技術革新」と茨城の地域活性化について語る―皇冠体育,皇冠足球盘?茨城県?茨城産業会議連携講演会

農業をめぐる「技術革新」と茨城の地域活性化について語る
―皇冠体育,皇冠足球盘?茨城県?茨城産業会議連携講演会

 皇冠体育,皇冠足球盘?茨城県?茨城産業会議の主催による「農業をめぐる『技術革新』と茨城の地域活性化」と題した連携講演会が11月 5日(火)にホテルテラスザガーデン水戸にて開催された。近年、農業の分野においてもAI、ICT、IoTといった技術を利用した「技術革新」がみられるようになった。この講演会は、農業をめぐる技術革新の現状およびそれらを地域の活性化のためにどのように活かせるか、ということについて考えることを趣旨としたもの。
 開会の挨拶で三村信男学長は、「茨城は農産物の産出額全国3位ということに加え、品質も非常に素晴らしいものだと感じている。茨城が持つ農業の魅力を使って、どう地域を盛り上げていくか、今日は参加者の皆さんと考えていきたい。」と述べた。

 本講演会は、第一部が本学教員による基調講演、第二部は企業や農家の方を交えてのパネルディスカッションという構成。第一部の基調講演では、本学農学部の小松﨑将一教授、岡山毅教授の2名が登壇した。


 小松﨑教授は「地域を元気にする農業を目指して」というテーマで講演。今日、世界が直面している食糧増産や、環境変動によって農地面積が不足している現状について説明した上で、現在取り組んでいる研究内容について語った。その一つとして、日立セメント株式会社との共同研究にて生み出された商品「HIコンポストS」を紹介。これは、家庭や工場から排出される食品廃棄物をメタン発酵する技術を用い、その発酵残渣を利用して高品質な有機肥料へと変換させたものだ。実際に、本学農学部の附属国際フィールド農学センター農場で、この肥料を使ってサツマイモ栽培を進めている。


 開発した商品について説明する小松﨑教授

 続いて、岡山毅教授が「技術革新によるスマートアグリの実現」というテーマで登壇。前半は、スマート農業とはどういうものかについて、(1)超省力?大規模生産を実現(2)作物の能力を最大限に発揮(3)きつい作業、危険な作業から解放(4)誰もが取り組みやすい農業を実現(5)消費者、実需者に安心と信頼を提供、という5つのポイントに沿って解説をした。
 後半は、実際に茨城県内でスマート農業を実施したイチゴ農家について紹介。今までは経験と勘をもとに栽培されていたのが、ICTで生産ノウハウを共有することによりあやふやだった部分を見える化でき、約50%の経費削減につながったと説明した。


スマート農業の展開について説明する岡山教授 

 第2部は、小松﨑教授?岡山教授に加えて、2012年に青果流通を変える「ベジプロバイダー事業」で日本政策投資銀行第1回女性新ビジネスプランコンペティション大賞を受賞した株式会社エムスクエア? ラボ代表取締役の加藤百合子氏。アパレル会社?イベント会社を経て、2015年にドロップファームを開設し「ドロップファームの美容トマト?」の栽培を手掛けている株式会社ドロップ代表取締役の三浦綾佳氏。皇冠体育,皇冠足球盘農学部を卒業し、石岡市にて多品目の季節野菜を栽培している有機農家の山田晃太郎氏の3名のパネリストを交えてディスカッションを行った。

 パネルディスカッションは、参加者からの質問にパネリストが答える形式で進行。「新規就農に際して大変だったことは?」という質問に対し、新規就農を経験した山田氏は、「家を見つけることが大変。新規就農者はベテランの農家と比べると、同じことをやっても倍近い時間がかかってしまう。そのため、効率よく作業をこなすためには、できれば畑近くに家があるのが望ましいが、条件が良い家を見つけることがなかなか難しい。」と述べた。続いて三浦氏は、「新規就農にあたり1年間農業研修を受けたが、素人なので農作物に対して『いつもと違うな』と感じても、どのような対応をとればいいのか判断がつかない。」と苦労を語った。
 また、「近年日本では、大雨や台風など異常気象が続いている。スマート農業はこういった不測の事態どこまで対応が可能か。」という質問に対しては加藤氏が回答。「確かに難しい状況は起こり得るが、対応は可能だと思う。技術も日々進歩している。そのため、困難に直面した場合でも、それぞれの分野の研究者が知恵を出し合うことによって乗り切れるのではないか。それでこそスマート農業と言えるのでは。」と考えを述べた。
 「農家の中には最新技術を取り入れること抵抗がある人もいる。」との意見に対しては、岡山教授が「ICTを使いこなすレベルには個人差があることは確か。行政等に協力いただき、全体のレベルのボトムアップを図るために工夫が必要。」と述べた。

 ディスカッションの最後のまとめとして、小松﨑教授は、「農業には省力化が求められているが、関わる人々が幸せになるような産業とならなければならない。そのため、最新技術を利用して実現することができれば。」と語った。

(取材?構成:皇冠体育,皇冠足球盘広報室)