1. ホーム
  2. NEWS
  3. 【教員インタビュー】理工学研究科?鵜野将年准教授―独学の電力変換研究が未知の可能性を拓く

【教員インタビュー】理工学研究科?鵜野将年准教授
―独学の電力変換研究が未知の可能性を拓く

 鵜野准教授の研究室のホームページを開くと、論文採択など研究室の成果がずらりと紹介されている。
 特に目を引くのは、学生たちの表彰の数々。「研究奨励賞を受賞」「優秀発表賞を受賞」を称える記念写真が温かい。
 鵜野研究室への社会の熱い期待を物語る光景だ。

「電気工学の電力変換の分野でバッテリーや太陽電池用の電力変換技術の研究をしています。
 たとえば、充電器。スマートフォンの充電器とか、パソコンのACアダプターとか。ご家庭などの壁にあるコンセントの電源は交流、乾電池や自動車のバッテリーは直流です。スマホの充電は壁のコンセントから電気をバッテリーに供給します。交流から直流に変換するという作業が入るわけですが、ここで電力変換の技術が必要となります。電力を加工するような技術、つまり、パワーエレクトロニクスの技術です。
鵜野先生2 パワーエレクトロニクスの進歩によって実現したものの一つが、電気自動車の普及です。電気自動車では、バッテリーのエネルギーを変換してモーターに与えるわけですが、その変換効率が80%であれば、20%のエネルギーは無駄にしていることになります。変換技術が向上することで、変換効率は95%以上になり、その結果、バッテリーの軽量化にもつながりました。この技術がさらに向上すれば、空飛ぶ車、電動航空機の開発も現実的な話になってきます。

 太陽電池の電力変換でもパワーエレクトロニクスの技術が使われています。機器自体の変換効率は98%と、非常に高いのですが、太陽電池パネルは影がかかったり、ごみがついたりすると、日射強度が不均一になるので、太陽電池自体が本来の力を発揮できません。現在、この発揮しきれていない力を極力引き出す研究をしています。

 別の例では、バッテリーですね。電池は直列に繋ぎますが、古い電池と新しい電池を混ぜるとうまく活用できません。パワーエレクトロニクスの技術を使えば、新旧のバッテリーを混ぜても効率よく使うことができます。効率云々というより、バッテリーや太陽電池というデバイス自体の性能を引き出すことも、この研究のテーマのひとつです。
鵜野先生5 実はこの分野の研究は、社会人になってから独学で勉強したんです。大学時代は電気電子工学科に在籍していたのですが、就職でJAXA(宇宙航空研究開発機構)に勤めたら、上司は電気化学分野の出身で、もっぱらバッテリーの評価試験などを担当しました。ただ、この分野では自分の専門性は活かせないし、まともに電気化学の分野で競っても、とても追いつかない。結局、電力変換の研究はひとりで始めて、今につながっています。

 大学時代からこの分野にいるわけではないので、師匠もいません。おかげで、人と同じような発想、同じような方向には行かず、未知な分野を選び、独自の道が築けたのかなと思います。バッテリーマネジメントというバッテリー管理の技術セミナーなどがあると、外部講師として登壇することもあります。
 当時は20代で、挑戦する怖さをよくわかってなかったんです(笑)。それがよかったのでしょうね。」

教員情報

鵜野将年(うの?まさとし)●皇冠体育,皇冠足球盘大学院理工学研究科(工学野)准教授

1979年生まれ。2004年 同志社大学大学院工学研究科電気工学専攻博士前期修了。12年総合研究大学院大学 物理学研究科宇宙科学専攻博士後期修了。宇宙航空研究開発機構を経て、現職。電気工学の電力変換の分野でバッテリーや太陽電池用の電力変換技術の研究をしている。

鵜野先生プロフィール

(取材?構成:皇冠体育,皇冠足球盘広報誌『iUP』編集チーム)

iUPlogo.jpgのサムネイル画像